伊田信光 幸福実現党 研修局長(兼)シニア局長 オフィシャルブログ

【三船久蔵十段・「柔道の神様」と言われた最後の柔道家(下)】& メルマガ配信致します。

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518Krw+yOSL._SY300_久蔵は、自他共に日本一の柔道家になった時、結婚に踏み切る。

久蔵は、結婚により、やみくもに柔道の上達に掛けた修行時代と訣別する。

それまでは、愚直なまでに潔癖で女性を近づけなかったが、父の紹介で電撃結婚をする。嫁の郁子の顔を見たのは、婚礼当日だった。

この郁子が久蔵の良き理解者となって、彼の指導期、精進期を助けるのである。

昭和20年62歳で十段に昇段するが、郁子の内助の功を讃えて、愛弟子の白井清一(9段)は「先生が五段で奥さんが五段、二人合わせて十段」と言っている。

「相手の身体に触れず、前に立っただけで相手が倒れてしまうというような技はないものだろうか」技の追究の末、創り出されたのが「空気なげ」である。

 

「私は力の原理を考えた。球は当った瞬間にポンと跳ね返る。この原理は何にでも当てはまる。

球というものは、平面的に言えば円であり、立体的に言えば球である。この二つから考えた。

『押さば引け、引かば押せ』ではなく、『押さば回れ、引かば斜めに』というのが本当だと気がついた。」これが久蔵の悟りであり、彼の柔道の動きは全てこれに基づいている。

そして、ここから、「空気なげ」が生まれた。

彼の神話の一つ。1930年第一回全日本柔道選士権大会で、久蔵は関西の雄、佐村嘉一郎七段と相対した。

この時、佐村は福岡高等学校教授、久蔵は講道館指南役として、共に不敗を誇っていた。

久蔵はこの試合で、「空気なげで勝負をつける」と宣言し、満場の観客の前で、空気なげで決めた。

 

a9e5dc8e85a9fd0a7a83d250760805aaもう一つの神話は、1934年の宮中での皇太子誕生祝賀の全国武道大会。相手は田畑昇太郎八段である。

対戦一ヶ月余り前から、流行性感冒にかかった久蔵は肺炎となり、酸素吸入や輸血が必要な重体となった。

彼は徐々に回復したが、試合当日は熱38度2分、体重は普段より11キロ少ない45キロだった。

この試合では、動けば体力を消耗するのでジッと耐え、一瞬の隙をついて、発明した奇策・「踵返し」で1本を取った。

久蔵は晴れ舞台での「空気投げ」や「踵返し」など、強烈さよりも美しさを感じさせる技に移行していった。

彼は「美」と「真」を追究する「精進の時代」に入っていったのである。

 

「ただ勝ち負けということのみでなく、勝つにしても何にしても、芸術的にね、その技が生まれなくちゃいかん。
わしから言わせると、柔道の技もですね。正しく立派に奇麗にかけなければいかんですよ。
強引じゃだめですよ。故に、わしが言う柔道は、『自然の実現』じゃないか。これはもう『立派な芸術』だと思っていますよ。」

 

久蔵の技は晩年に近づくに従い、強さ、鋭さより、美しさ、爽やかさが優先していったのである。

「わしは今日まで負けたことがないんだよ」彼はよくそういった。実際に、投げられたり、負けたりした事が一度もなかったわけではない。

しかし、負けたとは決して言わない、言おうとしない負けん気が、彼の大成の大きな要因になっている事は間違いない。

念いにおいて負けた時が負けたのであり、負けを念わなければ負ける事はない、と言うのが真実だと言える。

 

t02200293_0336044811997689128久蔵は、自分の記念館に、子供達への戒めとして、一番先に『けんかせぬこと』と書いた。

柔道を芸術、神業まで高めた柔道家が、子供達に贈る言葉には、永遠の悪童と聖人の香りを同時に感じる言葉を書いたのだ。

 

久蔵は「小よく大を制す」と言う言葉をそのまま掛け値無しに使える、真の意味で最後の柔道家であった。

彼は単なる選手ではなく、求道家的であったいう意味でも真の柔道家であった。それも、死の直前まで現役の柔道家であった。

 

「過去の自慢をするのは、現実の悲哀を物語るに過ぎない」と語る言葉は、常に高みを求めてやまない、あくなき挑戦者であった事を示している。

 

柔道審判員としても活動し、1956年に東京で開催された世界柔道選手権大会で審判を務め、1964年の東京オリンピックでは、柔道競技運営委員を務め、国際競技としての「柔道の完成」を見守った。

その翌年の1965年(昭和40年)1月27日、「柔道の神様」と呼ばれた最後の十段、最後の柔道家は、喉頭腫瘍と肺炎のため82歳で永眠する。

ふくろう6

彼の「空気なげ」は、その後、誰も使えていない。神業は存在した。

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あなたが幸福でありますように。

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