伊田信光 幸福実現党 研修局長(兼)シニア局長 オフィシャルブログ

【内田正泰・92歳の現役貼り絵作家ー「祈りと詩(うた)のある貼り絵」】

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【内田正泰・92歳の現役貼り絵作家ー「祈りと詩(うた)のある貼り絵」】

写真 1 「92歳の素晴らしい貼り絵作家がいる」この天の声?を聞いてから、私の頭から、この存在が離れませんでした。たまたまインターネットで調べてみたら、その作家の展示会が明日で終わりと言う日だったのです。これは行くしかないと思って、横浜高島屋の5Fローズパティオに見に行きました。

今まで見たことのない、オリジナルな雰囲気は、浮世絵を初めて見た時の感じに近いものでした。グラフィックデザイナーでもある内田さんの貼り絵は、まず構図がとても新鮮です。全体が大胆でシンプルなデザインのようでありながら、微妙な細部に拘りを見せている点が西洋と東洋の融合のようでもあります。

写真 2そして、その紙の柔らかな線と色使い、その明暗のコントラストが実に調和していて、アート・デザインでありながら、大和心を表現している清涼な風景画でもあり、全く味わった事のない感覚を刺激されました。そして、何よりも、その絵自身が心の詩を表現しているのに感動しました。

yjimage内田正泰さんは、1922年に神奈川県の横須賀に生まれました。横浜高等工業学校建築科を卒業後、民間会社に就職しましたが、1956年「アド、アートデザイン研究所」を設立し、芸術活動に専念します。1958年には、日本印刷工業会長賞をカレンダーデザインで受賞し、以後、1981年までに、8回受賞しています。


yjimage-1内田さんと紙との本格的な出会いは50年以上前に遡ります。横浜市から成人教育の一貫として、デザイン指導の依頼を受けた時の事でした。デザインの理論や口答の説明だけでは、本質を説明できないと感じた内田さんは、急遽不要になった新聞紙を貰い、それをちぎって形を作り、具体的な説明をしたのでした。

yjimage-2その時、破いた紙の裂け目が、有機的で温かい線である事に気づいて、この線で日本の情感を表現できないかと思い立ったのでした。思い通りの線を指でちぎるだけで切り取れるようになるには、10年かかったと内田さんは言います。その後、試行錯誤を重ね、色彩、構図、コントラストなどに創意と工夫を重ねて、だんだん絵画に近づき、オリジナルの貼り絵として創りあげていきます。
そして、92歳の現在では、「日本人の感情を育む」というしっかりした基本理念を元に、作品を制作しています。

yjimage紙を手で破いてその温かい自然な切り口の線だけで、美を表現している人は世界でも少ないでしょう。広重や北斎も使った事のない「貼り絵」という技法で、先人達が描いた日本の美しい情景を表現してみたいと真剣に考え始めたのは、貼り絵に出合って制作を始めてから十数年立った頃だったと言います。ここからも、この貼り絵の秘めた可能性、奥の深さは計り知れないものを感じます。

yjimage-3内田さんは、貼り絵作家ではありますが、哲学者であり、詩人でもあります。論理は感情より低い次元にあり、偉大な芸術家は計り知れない高次元、論理を超えた世界で作品を創作していると考えています。そして、「自然の風景の中には、人の心を育む計り知れない無限の力がある」と確信しており、論理を超えた無限の力で構成された風景を、貼り絵と言う表現形式で表し、次世代へのメッセージとして残していく事を自分の使命と考えているのです。

 

「自然は嘘をつくりません。全てが真実です。人間は虚偽をつくります。
だから、私は自然を師とするのです。
大宇宙の太陽系の地球と言う星の上に人間は微生物として生きています。
このことを踏まえて人生を終わりたいと考え、母なる自然の愛の姿をつくり続けます。」

 

kokoronouta私は、一個の人間として何を言いたいのか、哲学を明確に表明している作家が好きです。
技術的な上手さだけだったら、アルチザン(職人)と評価されて終わりになってしまいます。
作家の評価は技ではなくて、その作品の根底にある思想の次元でなされなくてはなりません。」

 

「私は百万言を費やして人生を語るより、百万歩歩いて人生を語ろうとすることのほうが好きです。」(内田正泰「はり絵画文集『こころの詩』-四季の彩り」)

 

yjimage内田さんの貼り絵には、鎮守の杜が日本人の原風景としてよく出て来ます。
今回見た展示場で、私の心を打ったのは、「祈りのこころ」という作品でした。
内田さんの作品は、祈りに似たものを感じます。92歳でまだまだお元気で活躍しておられる内田さんの今後の作品がどのように変化するのか、楽しみです。

 

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